福島です。
お教室では小学生以上の基本レッスン時間を45分としています。
その理由は端的に言って「30分じゃ短すぎるから」です。
30分だと、大体挨拶して曲を弾いてレッスンして終わりです。ワークなどをやればさらに弾く時間は少なくなります。
入退室できっちりな所は実質25分くらいになります。
私も町のピアノ教室に勤めた経験がありますが、一般的なピアノのレッスン時間は30分が多いようです。
今回は、なぜ私が45分レッスンを基本のレッスン時間としたのかをお伝えしたいと思います。
45分ピアノレッスンのカリキュラム
~レッスン開始~
1、聴き取り術
まずは、いきなりピアノに向かう前に、耳を開き、全身で素敵なコードの響きに浸りましょう。
樹原涼子先生の『耳を開く聴き取り術』という本を使います。
生徒は私の弾くコードをよ~く聴き、溶け込むように声でコードの一部を担います。
恥ずかしくて声の出ない子もいるけど大丈夫。この目的は、聴くことです。これは実際にピアノの鍵盤を押す瞬間に自分の出そうとしている響きを内なる耳で聴いているか、を養います。
2,初見、書き取り、コード
初見奏というのは、パッと見た初めての楽譜をピアノで弾くことです。
この目的は、全体を把握する力を身に付けることです。
自分の弱点が分かることで、普段の譜読みの仕方も見直すことができます。
リズム練習も並行して行います。
書き取りは私が弾いたメロディをノートに書きとります。
コード奏は、メロディにコードを付けて演奏する練習。
コード譜を読めちゃいます♪
これらをすべてやるわけではなく、一つか、二つを組み合わせるなどしてウォーミングアップします。
入室も含めて10分かからないくらいです。
3,バーナム
バーナムという棒人間の絵が特徴的な教材で、じっくりテクニックを学びます。
この本は、最初の方は一課題が4小節しかなかったりするのですが、その目的を十分に講師が把握していないといけません。
ただ音をよんでやっとこさ鍵盤を押す、、短いのもあり何となくできていればOKでガンガン進んで結局何も身についていないというケースが散見されます。
テクニックは表現のためであり、コツと同義語です。ここのやり方を間違えずに積み重ねることが大きな力になります。
自分の身体と対話することで、出せるピアノの響きのバリエーションを増やしていくと、子どもたちも生き生きします♪
4,曲
教材だったり、ギロック、ブルクミュラー、ソナチネ、、あとは、弾きたい曲なんでもOK
まだ難しくても少し背伸びした曲をやってみるのもいいですね。
みんなそれぞれ持っているテンポは違う
大体が以上のような流れになります。45分でもあっという間です。
しかし、30分レッスンよりは緩急をつけられます。
なぜ緩急が必要かというと、音楽そのものが緩急で成り立っているからです。
どうしても30分だと一定のテンポでちゃきちゃき進んでいかなければならず、耳も散漫になる気がします。
子ども一人一人が持っているスピード感は違います。いつも何をするにも早い子は、ゆったりとした時間の感覚を養うことが必要かもしれません。
またその逆の場合はアップテンポにもグルーヴを持って乗れるようにこちらのテンポを変えたりもします。
バランスよく色んなことを身に付けていくことが可能なのが、ピアノを弾くという事。
なので、私は30分ではなく、45分間の尺を取ることに拘りました。
45分の中に、習い事の枠を超えた芸術の時間を持ってもらいたいと思っています。